「高岡市パブリックアートまちづくり市民会議」
とアートマネジメントの可能性
高岡第一高等学校
松尾 豊
『アートマネジメント研究』第4号、2003年
I.はじめに(定義と「高岡市パブリックアートまちづくり市民会議」)
換言すると、パブリックスペースにあるという点では空間のアートであり、景観・文化行政への市民参加があらゆる場面で可能であるべきという意味では、民主主義のアートである。又、学校教育機関や生涯学習機関の側からの啓蒙普及が前提であり、次世代への継承努力の結果、市民の心に依拠して成立するという意味では、教育のアートと言えよう。
僭越にも、冒頭から拙稿「パブリックアートと美術教育」(1)を引用し、パブリックアートの定義を試みた。その理由は、近年流行のパブリックアート用語は、現代日本では、まだその明確な定義もない中で、高岡市が、「高岡市パブリックアートまちづくり市民会議」なる第三者機関的組織を立ち上げ、筆者はその委員をしているからである。この組織に参加し続ける理由は、佐藤孝志市長が「構想の実行段階において、できるだけたくさんの人に入っていただきみんなで議論しながら」(2)推進する「市民参加と協働」を提唱し、その考えを手法上の基本理念に掲げたためである。更に、筆者のこれまでの研究成果を実践に移せると考えたからである。つまり、筆者のパブリックアートへの認識と高岡市長との考えが基本的に一致すると判断したが故に、拙稿の定義の引用となったわけである。
II.目的へつづく
I.はじめに
II.目的
III.背景
IV.「懇話会」と「市民会議」の動機と経過
V.「市民会議」の成立とその後
Ⅵ.アートマネジメントの可能性
Ⅶ.おわりに
<注及び引用文献>