アートマネジメントに関する三つの雑感
高岡第一高等学校
松尾 豊
『アートマネジメント研究』第6号、2005年
Ⅰ:はじめに
私が、個人的にアートマネジメントに興味を持ち出したのは、二〇〇〇(平成十二)年頃である。ある美術教育の学会誌に投稿(注1)の際、校外美術研究の一つとして、アートマネジメント研究を列挙したのを覚えている。それは、パブリックアート研究の必然的帰結としての美術教育の生涯学習版でもあった。学校という建築物内以外で目にするアートシーンの創造、つまり、校外美術研究の必要性に迫られていたことに起因する。又、その後の二〇〇一年十月に発足した高岡市パブリックアートまちづくり市民会議(注2)に委員として参加しだし、二千万円という公金の行方を案じていたときに生じたアートに対する見識や税金に対する説明責任及び組織の理念や運営ルールの厳守という極めて必然的な現実が加わったのも更なる興味の要因である。
この文章は、私のパブリックアート研究や生涯美術研究及びアートによる街づくり実践との関わりの中で巡り合った三つの活動や体験に基づき、夫々の営みと紹介をアートマネジメントとして捉えたときに感じた問題点や可能性についての二〇〇五(平成十七)年三月末日現在の雑感である。その第一が、東京都渋谷区のパブリックアート研究所が中心的役割を果たしてきたパブリックアート・フォーラム等の活動に関するもの。二つ目が、新潟県十日町市を中心とする広域六市町村ですでに二回実施された大地の芸術祭に関するもの。三つ目が、本誌第四号にも発表した高岡市パブリックアートまちづくり市民会議(略称「市民会議」)のその後についての雑感である。
Ⅱ:パブリックアート・フォーラム等の活動に関する雑感へつづく
Ⅰ:はじめに(研究・実践の目的)
Ⅱ:パブリックアート・フォーラム等の活動に関する雑感
Ⅲ:大地の芸術祭についての雑感
Ⅳ:高岡市パブリックアートまちづくり市民会議
(「市民会議」)に関するその後の雑感
Ⅴ:おわりに
Ⅵ:注及び参考文献