彫刻シンポジウムの歴史と到達点(日本)
The History and Accomplishments of "Sculpture Symposiums"
後藤 敏伸・松尾 豊
I.はじめに
野外彫刻と言う呼称が、一般的に使用される以前において我々が認識している野外の彫刻とは、肖像的野外彫刻としてのいわゆる銅像であり、民俗学的野外彫刻としての野仏ぐらいのものであったろう。近年、それらの存在感が薄れる程に、公園や街角には具象、抽象を問わず野外彫刻の数が増えてきている。
「彫刻のある街づくり」を自覚的に意識し、何らかの形で屋外或いは野外に彫刻を設置している自治体は、既に80を超えていると言われる(註1)。この「彫刻のある街づくり」の作品取得の主要な方法の一つが彫刻シンポジウムである。彫刻公園造りから文化的な街起こしへと具体化を進める市町村も多い。彫刻シンポジウムは、野外彫刻展と並び或いはそれ以上に文化性や教育性が高い。公開制作という特性故に、地域との密着も深いと言えよう。本稿では、「彫刻のある街づくり」における重要な作品取得方法になっている日本の彫刻シンポジウムについて、その歴史的変遷と今日の到達点について考察することを目的とする。
II.彫刻シンポジウム概説へつづく
I.はじめに
II.彫刻シンポジウム概説
III.彫刻シンポジウムの歴史
IV.彫刻シンポジウムの到達点
V.おわりに
<註及び引用文献>
彫刻シンポジウムの歴史資料
写真資料(約55KB)