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野外彫刻の帰納的考察 (大学美術教育学会)

野外彫刻の帰納的考察 -地域調査結果と野外彫刻のあり方-
高岡第一高等学校 松尾 豊



1.はじめに(調査意義)

 1986(昭和61)年から新潟県内で野外彫刻調査をした理由は、ささやかなものであった。しかし、富山県内の野外彫刻を自己の研究テーマとして調査しだした1987年の段階では、いくつかの面からその調査研究の意義が明確になっていた。

 その第一の意義は、地方に散在する野外彫刻実態の把握及びその基礎資料の作成である。第二の意義は、野外彫刻の設置者意図及び彫刻を内包する空間様態の系統的把握である。そして第三には、野外彫刻情報の各種機関への提供とその結果としての地元への多角的提言である。特に前者二点は、県や市町村の集計的資料がほとんどないこと、野外彫刻調査結果の分析的文献が皆無に近いことからも全国的に極めて重要な意義をもつと考えた。又、単に野外彫刻情報の自治体・教育機関・マスコミ等への提供の他に、街作りに関する地方行政への積極的提言としても有意義であると考えた。

 本稿ではこれらの意義を踏まえて、新潟・富山の両県を中心とした野外彫刻調査の一定の成果の報告と各地の特徴的実践例を通じての今後の野外彫刻の多面的あり方の考察を試みた。

2.調査動機・調査方法・調査内容へつづく



1.はじめに(調査意義)
2.調査動機・調査方法・調査内容
3.考察 I(設置者意図と彫刻の存在的役割)
4.考察 II(彫刻設置場所にみる空間様態)
5.考察 III(材質と地域差の傾向)
6.今後の野外彫刻活動のあり方
7.おわりに(今後の研究課題への提言)
参考文献・資料

研究発表「野外彫刻の帰納的考察」

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