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「彫刻のある街づくり」にみる現状と諸問題(大学美術教育学会)

「彫刻のある街づくり」にみる現状と諸問題
The Present Conditions and Problems on
"TOWN PLANNING WITH SCULUPTURES
高岡第一高等学校 松尾 豊



I.歴史的経過と地理的広がり

 野外彫刻ブームといわれる昨今、野外彫刻展や野外彫刻シンポジウムが花盛りで、それらと連動した「彫刻のある街づくり」事業で都市環境整備や街の活性化を図っている都市も多い。

 歴史的には、山口県宇部市の取組が一番早いと思われる。緑化運動の流れの中で誕生した「宇部を彫刻で飾る運動」が、昭和36年の第1回宇部市野外彫刻展に発展する。以降、昭和38年の全国彫刻応募コンクール展から現代日本彫刻展に引き継がれ、本年(平成元年)の第13回展に至っている。

 また、宇部市の成功を受けて、宇部市と交互に、昭和43年には神戸須磨離宮公園現代彫刻展が実施された。翌44年には箱根彫刻の森美術館の開館、48年には長野市野外彫刻賞による取り組み、52年にはオーダーメード方式で有名な「杜と彫刻」事業が仙台市で始まる。その後、八王子市の「八王子彫刻シンポジウム」や高岡市の「芸術の森」事業の他、館山市、名古屋市、広島市などの取組もみられ、今日の野外彫刻ブームに火をつけている。

 こんな歴史的経過や地理的広がりの中で、今日のブームは様々な展開を示し、その功罪も顕著にしてきている。本発表では、「彫刻のある街づくり」事業に取り組んでいる8都市の現状を紹介し、その問題点を拾いながら今後の課題を展望してみたい。

II.現状へつづく



I.歴史的経過と地理的広がり
II.現状
III.諸問題と課題

論文
「「彫刻のある街づくり」に見る現状と諸問題」
研究発表
「"彫刻のある街づくり"に見る現状と諸問題 ('96)」

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