パブリックアート用語が日本に移入されて久しいが、
日本のパブリックアート前史として野外彫刻・公共彫刻・屋外彫刻・環境造形などの呼称がある。
共通点としてほとんどの場合、
1)「公」共空間にある、
2)「公」金が使われている、
3)不特定多数の「公」衆に晒される、
等の3つの「公」に制約を受けるアートといわざるを得ないのが現状だ。
そこで、アートを真のパブリックなものにするための支援機関が、学校であったり、美術館になったりする訳である。
このパブリックアートと美術教育との接点を掘り下げたときに、到達するのが、アートマネジメント論や生涯美術論、文化政策学や芸術支援学・文化資源学等の隣接領域である。
そして共通のキイワードとして「アートの公共性」が登場する。
従って、小・中・高での美術教育も当然、美術館での研究や普及活動も、地域でのアート系の街創りや大学での学問的探求も、結局は、「アートの公共性」の研究成果を提示することで成立すると思える。
(写真:「横浜トリエンナーレ2005 」入口近辺風景)